一応趣味としてアマチュア無線をやっています。
このインターネット全盛時代に、なにをいまさらアマチュア無線(ハム、といいます)をや、と言われる方もいるかと思いますが、電波と言う不確実な通信媒体を利用してのコミュニケーションは改めて楽しいなと思ってます。
アマチュア無線を簡単に説明すると、まずはお国が定める国家試験を受けて合格しないといけません。これを第x級アマチュア無線技士といい、免許証が発行されます。ちなみに私は長いあいだ第三級:昔の電信級でしたが、2023年、思い立って(気まぐれで)第二級のeラーニングという通信講座に申し込んでしまい、講習期間ギリギリで何とか修了&取得できました。
ただし、アマチュア無線はこの免許証があるだけでは、他局の無線設備の操作は出来ますが、自分の無線設備の操作は出来ません。自分の無線機を使って自分自身が無線局として運用するには、免許証とは別に、無線局免許状を申請して取得しないといけません。
第二級は最大出力200w、第三級は最大出力50wなのですが、移動する局で免許状を申請すると、どちらにしても50wまで、となってしまうので、第二級のメリット?は10MHzと14MHzという、海外とも容易に更新が出来る短波帯(HF)で電波を出せる周波数が少し増えるだけ、となります。とはいえ、アマチュア無線はそのような短波から、上は衛星通信などに使うマイクロ波(SHF)まで電波を出すことが出来ます。
で、私はJS1FVGと言う呼出符号の免許状を頂いてアマチュア無線局を運用しています。昔は、144MHzのSSBから始めて、21MHzの6ele ログペリというアンテナを上げたり、430MHzではSwiss Quadというアンテナをかついでコンテストに出たりしていました。今は、短波(HF)でEFHWという自作アンテナを使って、FT8という通信方式をメインに楽しんでいます。
ちなみにJS1FVGは個人局で、他に免許証を持っている人たちが何人か集まって社団局(クラブ局)を申請する場合もあります。
まだ携帯電話やインターネットやコンピュータが流行る前は、学校での技術的なクラブといえば無線部でしたので、理科好きな人は昔免許を取った(取らされた)と思います。私も中学生の時に、最初の一年生では写真部でしたが、二年生になった時に新たに転任してきた先生がアマチュア無線をやっていて、アマチュア無線部が新設されてそこに回されてしまったのが運の尽き?でした。
そのほかにも、映画(私をスキーに連れてって)とかでアマチュア無線がアイテムとしてでてきましたので、これがきっかけで免許を取得した人も少なからずいると思います。
とはいえ、ごく一部の人を除いては単なる連絡手段としてアマチュア無線を使う人がほとんどで、本来の楽しみを知ることなく免許状の期限を切らしてしまい、携帯電話やスマホの普及により無線機を押入れに眠らせていたりするひとがほとんどでしょう。
・移動運用
アマチュア無線の楽しみ方には色々あります。
不特定多数を相手にただお話をするのが楽しい人もいれば、無線機やアンテナなどを作る人、自分が定めた目標に向かって黙々と続ける人などさまざまです。
とかく目標と言うことでは、コンテストという競技会(定められた時間内により多くの局と交信する)やアワードと言う賞(定められた条件の交信証明証:QSLカードを集める)が有名です。特にアワードは簡単なところではとりあえず特定の周波数で100局のQSLカードを集めるとか、全国の10地域(エリア)のQSLカードを集める、と言うものがあります。とにかくいくら時間がかかってもQSLカードを集めればかっこいい賞状がもらえるので、学生時代に賞状とかは縁が無かった方にはお勧め!?です。
これと比べるとコンテストは難しいです。基本的にはより多くの人と交信しなければいけませんので、自宅がよっぽど見晴らしがいい所(=ロケがいい)でも無い限り、電波の出力は免許上は上限が決まっていますので、電波の届く範囲も限られてしまいます。なので、上位を狙う場合にはたいていはどこか高い場所、見晴らしの良い場所に移動します。これが移動運用です。
最初は単に電波が遠くに飛んでいって欲しいからというだけで、コンテストとかは関係なく移動運用をしていました。近場では山梨や神奈川、さらに富士山の五合目とか秩父連山とかで遊んでいたのですが、行くたびに多くの人と交信ができるので、ひょっとしてコンテストでも上位に入賞(または1位)出来るのではないかと思い始めました。
・コンテスト参加
そんなんでとりあえずは実力を試すために、群馬県と長野県の県境の毛無峠というところで全国規模のコンテストに参加しました。そしたら得点からいうと全然たいしたことが無いのに信越エリアで一位になってしまいました。 B4版の賞状が届いて、何となくうれしくなってしまいました。
以後スイスクワッド(SwissQuad)というアンテナを買ったり、常勝コンテスト局の間では当たり前となったお化けポール(アンテナをつけるのですが6mも伸びる)とか、より弱い電波も受信する為の受信用アンプとか買ったりしてどっぷりとはまっていきました。もちろん道具揃えて終わりではありません。いままでの戦歴としては
・東京UHFコンテスト 都内電信電話430MHz部門 第一位
・神奈川コンテスト 県内電信電話430MHz部門 第一位
・埼玉コンテスト 県内電信電話430MHz部門 第一位
・群馬コンテスト 県内電信電話430MHz部門 第一位
となっています。他にも栃木コンテストや静岡市町村コンテストなどで県内電信電話430MHz部門第二位となっています。ただ、全国レベルのコンテストでも第四位とか、ただ千葉コンテストが鬼門で、千葉県は飛びぬけて高いところがないためになかなか上位に食い込めません。
・QSLカード
交信したら交信証明書(QSLカード)、と言うのを送ります。
もっとも、しょっちゅう交信するお友達とかの場合にはめったに交換しませんが、それでもコンテストとかのホンの一言二言の交信で律儀に送ってくる人もいるので、私も一応送ったりしていました。コンテストの場合、多いときで500局以上と交信していますので印刷するのも大変です。インク代・紙代、そして日本アマチュア無線連盟(JARL)のQSLビューローというQSLカードを集めて再配達してくれる所までの送料など結構ばかに出来ません。でも、せっかく出すなら凝ったものを出そうと言うことで、交信がそもそも移動運用がメインなので、運用場所でとった写真をQSLカードに印刷して送っていました。
ただ、今ではQSLカードも紙ではなくて電子媒体での交換が定着しつつありますので、私自身もeQSLやhQSLを使ったりして、紙ではないQSLカードを発行しています。
・そして月日は流れ…
その後、20世紀の終わりにはパケット通信で転送系(FWD-NET)をしばらく運用していましたが、その後はしばらく無線からとおざかってしまい、結果的に一度コールサインを切らせてしまいました。
そして、21世紀も四半世紀が過ぎようかというところで、久しぶりにアマチュア無線で電波を出すため?に、コールサインを復活させて、前述のEFHWアンテナを作ったり、FT8という超低速データ通信で海外局(DX)と交信したりして、あれこれ遊んでいます。
このサイトでは、コールサイン復活後の活動をメモしていきたいと思います。