FT240-43を二個使った高耐入力EFHWバランの製作

FT240-43を一個使ったEFHW用バランでも、50W運用ではあまり気にしなくてもよい感じなのだが、とはいえ、やはりFT8送信していてSWRがジワジワと上がるのはあまり気分のいいモノではない😅

さらに、FT240-43を使ったEFHW用バランのSWR特性が、海外で作っている人のそれとはやっぱりちょっと違う(というか良くない)ので、もう少し検証したい気もしたので、改めてFT240-43を二個使った高耐入力EFHWバランを作ることにした。

まずはFT240-43を二個、結束バンドで固定。

そしたら、これに巻き付けるための1.0sqのポリウレタン銅線を、片方バイファイラー巻きにして、一次&二次コイルの並行部分をつくる。

あとは一次&二次の比率が1:7(2巻き&14巻き)になるように、バイファイラー巻き部分を2巻き、残りを5巻きしたところで反対側に折り返して巻く「W1JR巻き」にする。

巻けたら、それぞれの末端をやすりで削って半田付けしやすいようにする。

あとはコンデンサとアンテナワイヤーに見立てた負荷抵抗を付けて、NAnoVNAでSWRを見てみる。

巻いているポリウレタン銅線の間隔とかを調整して追い込むも……

やっぱりFT240-43に対して、ぴっちり巻くとSWR特性は今一つよくならない。

んじゃ、と一次&二次の比率はそのままで3巻き:21巻きにしたら、SWRはだいぶマシになったものの……

結局今までと同様に、Mコネメスを直接つなげるとSWRが悪くなる。


今回のEFHW用バラン(UNUN)は三作目なので、これらの今までの不具合を解決したい、ということで

・2巻き:14巻きにするなら、FT240-43にはポリウレタン銅線をぴっちり巻かない
・EFHW用バラン(UNUN)と同軸の接続はM-M中継を挟む。

という感じで作り直してみる。

すると、いきなりかなりいい感じになった。

アンテナワイヤーに見立てた負荷抵抗は、セメント抵抗で試してみたが、今まで通り金属皮膜抵抗で試してみても

この通り、SWRがいい感じになりました。

後は、このEFHW用バラン(UNUN)と同軸の接続を、M-M中継を挟んでのMコネ接続にすると、ご覧の通りのいい感じに。

あとはタカチのケースに収めて、高耐入力EFHWバランの完成です!!

あとはこれに実際に、自分が出たい一番低い周波数(3.5MHzとか7MHzとか)の1/2λの長さのワイヤーを接続すれば、以前(一作目二作目)のようなマルチバンド対応のEFHWアンテナになるはずです。


追伸:三宅島(JCG#10005, IOTA:AS-008) で実際に使ってみました。

三宅島には知り合いの実家(普段は無人)があるので、そこに無線機(FT-991A)と今回作ったEFHWバランと40m長のアンテナを持ち込んでみました。さすがに直線では張れず、初めてL字型(真ん中で90度に曲げた)に張ってみました。

これでNanoVNAでSWRを見ながら、スタブを調整。
3.5MHz~28MHzまでOKとなる、相変わらずの素晴らしいマルチバンド対応です。

これで一日中、各バンドでFT8をピロピロとやっていましたが、EU方面だけが開けなかったものの、他にはバシバシ飛んで行ってくれて気持ちよかったです。

三宅島移動は数か月に一度の割合で行こうと思いますので、聞こえていましたらよろしくです。

※EFHW関連のページ

EFHW(UNUN)の作り方

二種類のEFHWバランで違いを探る

FT240-43を二個使った高耐入力EFHWバランの製作

FT240-43の代替品としてFair-Riteの「5943003801」

EFHW用UNUNバランのマウント基板の製作

EFHW用UNUNバランの作り方(YouTube 動画)